生涯を通じて豊かで安心できる生活をサポートします

会長あいさつ

増田会長年末回顧用

会長 増田 明敏

整形外科は、体を動かすための運動器(骨・筋肉・関節・靭帯・神経など)の疾患を扱います。具体的には、骨折・脱臼・捻挫・切創などの外傷、スポーツ障害、加齢に伴う変性疾患、関節リウマチなどの炎症性疾患、脊椎・脊髄疾患、幼少児の先天性疾患、骨粗鬆症に代表される代謝性疾患、骨・軟部腫瘍と多種多様な病気や怪我の診療を行っています。

日本は世界に類を見ない超高齢社会となっています。平均寿命が延びていくことは喜ばしいことですが、健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間)との格差が問題となっています。そこでいかにして平均寿命との差異を少なくするかが課題となっています。

日本はこれから前例を見ない、超高齢化時代に突入していきます。高齢になっても元気で動けることが、社会に必要とされます。高齢者を元気にするためには医療、特に整形外科の力が発揮されるべきと考えます。

皆さん、ロコモティブシンドローム(ロコモ)をご存じでしょうか。ロコモとは運動器の障害により要介護となること、または要介護となる危険性の高い状態になることを言います。

日本整形外科学会はロコモを予防することにより健康寿命を延伸しようと取り組んで来ましたが、新型コロナ感染症によって外出自粛が求められ、これまで取り組んできたトレーニングができなくなったり、病院でのリハビリを控えるようになって、さらなるロコモの進行が危惧されています。また最近では、子どものロコモも問題となっています。スマホゲームの普及や屋外で遊ぶ機会も減ってきたことも原因の一つかと思われますが、関節がかたい、筋力が弱くなってよく転ぶ、姿勢が悪いといったお子さんが増えてきています。平成28年度からは学校では運動器検診も始まりましたが、運動器の不具合を早期に発見し対策をとることが必要です。運動器検診で異常が見つかったら早めに近くの整形外科医にご相談ください。

鹿児島県整形外科医会の会員は現在137名で、県内112か所の医療機関で整形外科診療を行っています。県民の皆様が心身ともに健康で快適な生涯を送れますよう、ロコモの予防、各種疾病の治療を通じて健康寿命の延伸や生活の質の向上に寄与できますよう体制を整えてまいりますので、ぜひお気軽にご相談いただきたいと思います。

令和2年8月 鹿児島県整形外科医会
会長 増田 明敏

「ロコモ」知ってますか?

「ロコモ」という言葉を知っていますか。「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」の略称です。
病気ではないのですが、年齢とともに立ったり座ったり、歩くことがつらくなる状態を指します。放っておくと、要介護、寝たきりになる可能性があります。
ロコモは、高齢化や運動不足によって、足腰の筋力やバランス力が低下して起こります。さらに骨粗しょう症や脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)、変形性膝(ひざ)関節症などの運動器の障害が加わるとロコモが進んでしまいます。
人間のからだを機関車(ロコモティブ)に例えると、運動器(骨・関節・筋肉・神経)は、エンジンであり車輪です。機関車に不具合が起きると、積まれている全ての内臓臓器などに影響をきたします。「ロコモ予防」には運動器だけの問題ではなく重要な意義があるということを理解しなければなりません。

NPO法人 全国ストップ・ザ・ロコモ協議会

(NPO法人 全国ストップ・ザ・ロコモ協議会ホームページより)

NPO法人 全国ストップ・ザ・ロコモ協議会
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